こころとからだ 介護

麻痺の種類

麻痺の出る場所

麻痺の出る場所はさまざまです。

  • 片麻痺 … 左右どちらかの半身が麻痺している状態
  • 対麻痺 … 両側の下肢が麻痺している状態
  • 四肢麻痺 … 両側の上肢と下肢が麻痺している状態
  • 単麻痺 … 四肢の中で片側の上肢、または下肢が麻痺している状態
  • 球麻痺 … 口・舌・喉の運動障害

 

麻痺の内容(どのような麻痺か)

また、「麻痺」と一口にいっても、どのような麻痺なのかは様々です。

  • 運動麻痺 … 自らの意思による運動(随意運動)ができなくなる。                ⇔ 不随意運動・反射運動
  • 感覚麻痺 … 感覚を失ったり、感覚が鈍くなったりする
  • 痙性(けいせい)麻痺 … 突っ張った感じのする緊張性の強い麻痺
  • 弛緩性(しかんせい)麻痺… だらりと脱力した状態の麻痺

 

脊髄損傷

麻痺になる原因は様々ですが、脊髄が損傷することでも麻痺が生じます。

脊髄とは脳からつながる太い神経で、背骨の中に守られるような形で存在しています。

脊髄は脳からの指令で手足を動かしたり、痛みやしびれなどの感覚を脳に伝える役目を果たしています。よって、脊髄が損傷すると麻痺が生じてしまうのです。

脊髄は一度損傷してしまうと元に戻すのが難しいとされています。

脊髄は4つの部位から成り立っており、損傷したところから下の部分が麻痺してしまいます。

  • 頸髄 → 首から下…四肢麻痺が生じます。
  • 胸髄 → 胸から下…体幹麻痺(座位保持・立位保持がしにくくなる)
  •           下肢麻痺(対麻痺)が生じます。
  • 腰髄 → 腰から下…下肢麻痺(対麻痺)が生じます。
  • 仙髄

 

過去問

36回 問84

回復期にある左片麻痺の利用者が、ベッドで端座位から立位になるときの基本的な介護方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の右側に立つ。
  2. 利用者に、ベッドに深く座るように促す。
  3. 利用者に、背すじを伸ばして真上に立ち上がるように促す。
  4. 利用者の左側に荷重がかかるように支える。
  5. 利用者の左の膝頭に手を当てて保持し、膝折れを防ぐ。

 

正解は5です。

 

<解説>

1…利用者の右側に立つ。

→ 麻痺側に倒れやすいので健側の右ではなく、麻痺がある患側の左に立ちます。

 

2…利用者に、ベッドに深く座るように促す。

→ 立位する際は深く座るのではなく、浅く座るよう促します。

 

3…利用者に、背すじを伸ばして真上に立ち上がるように促す。

→ 人間が立位する際は「真上」ではなく、やや「前傾」に動きます。自分でやればわかります。

 

4…利用者の左側に荷重がかかるように支える。

→ 患側である左に荷重をかけてはいけません。

 

5…利用者の左の膝頭に手を当てて保持し、膝折れを防ぐ。

→ 患側である左の膝を支え膝折れを防ぐ、これが正解です。

 

36回 問87

左片麻痺の利用者が‘、端座位でズボンを着脱するときの介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1.  最初に、左側の腰を少し上げて脱ぐように促す。
  2. 右膝を高く上げて、脱ぐように促す。
  3. 左足を右の大腿の上にのせて,ズボンを通すように促す。
  4.  立ち上がる前に、ズボンを膝下まで上げるように促す。
  5.  介護福祉職は右側に立って、ズボンを上げるように促す。

 

正解は3です。

 

<解説>

1… 最初に、左側の腰を少し上げて脱ぐように促す。

→ 患側である左側の腰を少し上げてズボンを脱ぐように促すのは不適切です。

 

2…右膝を高く上げて、脱ぐように促す。

→ 右膝を高く上げ、右足だけで体重を支えると転倒の可能性あり危険です。

 

3…左足を右の大腿の上にのせて,ズボンを通すように促す。

→ 患側である左足を右の大腿の上にのせてズボンを通してしまうことで、前かがみになりベットから転落するのを防げます。また、立位した後、腰まですぐに履くことができるのでこれが正解です。

 

4…立ち上がる前に、ズボンを膝下まで上げるように促す。

→あげるのであれば膝下ではなく、膝上・大腿部まで上げておいたほうが着用しやすいです。

 

5…介護福祉職は右側に立って、ズボンを上げるように促す。

→健側である右側ではなく、患側である左側に立ち転倒を回避します。

 

35回 問5

次のうち、四肢麻痺(ししまひ)を伴う疾患や外傷として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 右脳梗塞(right cerebral infarction)
  2. 左脳梗塞(left cerebral infarction)
  3. 頸髄損傷(けいずいそんしょう)(cervical cord injury)
  4. 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
  5. 末梢神経損傷(まっしょうしんけいそんしょう)(peripheral nerve injury)

 

正解は3です。

<解説>

頸髄損傷は首の脊髄です。頸髄が損傷するということは首から下が動かなくなるため、四肢麻痺になります。4の腰髄損傷の場合、腰から下のため対麻痺(両下肢麻痺)になります。

 

35回 問7

Aさん(60歳、男性)は、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)のため、物をつかもうとすると手が震え、起立時や歩行時に身体がふらつき、ろれつが回らないため発語が不明瞭である。
次のうち、Aさんの現在の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 運動麻痺
  2. 運動失調
  3. 関節拘縮
  4. 筋萎縮
  5. 筋固縮

 

正解は2です。

 

<解説>

運動麻痺・運動失調

  • 運動麻痺は随意運動(自分の意思で筋肉を動かす)ができなくなった状態。
  • 運動失調は随意運動はできるが、筋肉を調整する機能が失われスムーズにできなくなった状態 を指します。

→ 問題文では「物をつかもうとすると」「起立時や歩行時」というように随意運動できているが、「手が震え」「身体がふらつき」とあるように筋肉を調整する機能がうまく働いていない状態が読み取れるため、運動失調であるとわかります。

 

34回 問39

Mさん(84歳、男性)は、10年前に脳梗塞(cerebral infarction)で右片麻痺になり、右上肢の屈曲拘縮がある。今までは自分で洋服を着ていたが、1週間ほど前から左肩関節の周囲に軽い痛みを感じるようになり、上着の着脱の介護が必要になった。
Mさんへの上着の着脱の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 服を脱ぐときは、右上肢から脱ぐ。
  2. 右手首に袖を通すときは、介護福祉職の指先に力を入れて手首をつかむ。
  3. 右肘関節を伸展するときは、素早く動かす。
  4. 右肘に袖を通すときは、前腕を下から支える。
  5. 衣類を準備するときは、かぶり式のものを選択する。

 

正解は4です。

 

<解説>

脱健着患

脱健着患とは「ぐときは側から、るときは側から」を表した言葉です。

なぜこの順番なのかというと…患側は動かないので健側を先に脱いで服のゆとりがあったほうが、患側に負担なく脱がせることができるためです。逆に着るときは先に健側を着てしまうと患側を着せるときに服のゆとりがなくなってしまうので、着せるときは先に患側から着せると良いのです。

この原則も加味しながら選択肢を考えていきます。

 

1…服を脱ぐときは、右上肢から脱ぐ。

→ 右は患側です。脱健着患の原則から言うと、健側である左から脱がせるのが正しいので間違いです。

 

2…右手首に袖を通すときは、介護福祉職の指先に力を入れて手首をつかむ。

→ 指先に力を入れて手首をつかむと皮膚が傷ついたり、痛いです。手首は下から支えましょう。

 

3…右肘関節を伸展するときは、素早く動かす。

→ 素早くではなく、落ち着いてゆっくり動かします。特に右は患側でしかも拘縮があると書かれています。素早く動かすと脱臼(関節がずれてしまうこと)なども起きやすくなります。

 

4…右肘に袖を通すときは、前腕を下から支える。

→ これが正解です。前腕は下から優しく支えてあげましょう。

 

5…衣類を準備するときは、かぶり式のものを選択する。

→ 屈曲拘縮があるためかぶり式のものよりも、前開きの衣服のほうが着せやすいです。

 

34回 問120

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。
その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。

Eさんが病院を受診するきっかけになった症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 対麻痺(ついまひ)
  2. 単麻痺(たんまひ)
  3. 球麻痺(きゅうまひ)
  4. 安静時振戦
  5. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

 

正解は3です。

 

<解説>

「ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少」とあり、口・舌・喉の麻痺と思われる症状が出ているので、3の球麻痺が正解です。

 

33回 問90

Dさん(31歳、男性)は、脊髄損傷(spinal cord injury)による対麻痺で、リハビリテーションのため入院中である。車いすでの日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は自立したが、退院後自宅で生活するときに、褥瘡が生じないか心配している。
Dさんの褥瘡が発生しやすい部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 頭部
  2. 上腕部
  3. 背部
  4. 腹部
  5. 坐骨結節部

 

正解は5です。

 

<解説>

対麻痺で両下肢が動かないため、おしりのあたりに位置する坐骨結節部は自分で動かすことができないため、褥瘡ができやすくなります。

 

32回 問50

右片麻痺のある利用者が、ベッドサイドでポータブルトイレを使用するときの設置場所として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

正解は2です。

 

<解説>

右片麻痺のため、健側側にポータブルトイレを設置すると安全に利用できると考えれます。

Bに設置すれば健側側であり最短で排泄して頂けるのでBが最適です。

 

31回 問89

対麻痺(ついまひ)を生じる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)
  2. 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
  3. 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis)
  4. パーキンソン病(Parkinson disease)
  5. 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)

 

正解は2です。

 

<解説>

対麻痺は両下肢が麻痺します。脊髄損傷では損傷した場所から下の部位が動かなくなるので、2の腰髄損傷が正解です。腰のあたりの脊髄である腰髄が損傷すると腰から下…両下肢が麻痺してしまします。

 

31回 問115

次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事例〕
Fさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で入院して、左半身の不全麻痺(ふぜんまひ)がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため、杖や手すりを使用した歩行訓練をして、杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで、Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
ある日、「医師から退院の許可が出た」と、妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と、在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランの検討のために病院に行って、会議に参加した。会議には、主治医、病棟看護師、理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果、トイレに手すりが必要だということになった。また、左足指に白癬(はくせん)(tinea)があり、薬が処方されていることも確認された。

図はFさん宅のトイレである。
手すりを設置する位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

正解は1です。

 

<解説>

問題文から「左半身の不全麻痺」があること、「立ち上がりや歩行に介助が必要」なこと、「杖歩行が可能」であること、が読み取れます。

不全麻痺と完全麻痺

  • 不全麻痺は運動機能や感覚を一部残している麻痺のこと
  • 完全麻痺は完全に運動機能や感覚を消失している麻痺のこと

完全麻痺は体に触れられても何も感じませんし、体を動かすことはできませんが、不全麻痺では一部体を動かせたり、体に触れられると何か感じることができる状態です。

 

まず、「左半身に麻痺」があるので健側である右側に手すりがある必要があります。

よって、正解はAかBであるとわかります。

そして「立ち上がりや歩行に介助が必要」とあり、立ち上がる際は前方に手すりがあると良いので正解は1のAであるとわかります。

 

30回 問41

ベッドの端に座っている左片麻痺(ひだりかたまひ)の利用者の、立ち上がりまでの基本的な介護として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の右側に立つ。
  2. 立ち上がる前に、深く座りなおすように促す。
  3. 利用者の右膝を支える。
  4. 利用者を真上に持ち上げる。
  5. 立ち上がった時に、利用者の右膝の裏が伸びていることを確認する。

 

正解は5です。

 

<解説>

1…利用者の右側に立つ。

→ 健側である右側ではなく、転倒リスクが高い患側である左側に立ち、転倒するのを防ぎます。

 

2…立ち上がる前に、深く座りなおすように促す。

→ 立ち上がる前は浅く座るように促します。そのほうが立ち上がりやすいからです。

 

3…利用者の右膝を支える。

→ 右は健側なので支える必要はありません。支えるのであれば患側である左膝を支えましょう。

 

4…利用者を真上に持ち上げる。

→ 立ち上がりは「真上」ではなく「前方」に重心移動する動作です。スムーズに前方に動けるよう介助します。

 

5…立ち上がった時に、利用者の右膝の裏が伸びていることを確認する。

→ 健側である右側の膝が折れず、しっかりと伸びていることを確認しましょう。これが正解です。

 

29回 問37

片麻痺で立位歩行が可能な人が、洋式便器から立ち上がるときに利用する手すりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 便器の先端から20~30cm 後方の、健側がわの壁に設置された縦手すり
  2. 便器の先端から20~30cm 前方の、健側がわの壁に設置された縦手すり
  3. 便器の先端から20~30cm 後方の、患側がわの壁に設置された縦手すり
  4. 便器の先端から20~30cm 前方の、患側がわの壁に設置された縦手すり
  5. 便器周囲に設置された肘かけ状の簡易手すり

 

正解は2です。

 

<解説>

「片麻痺の方が便器から立ち上がるときに利用する手すり」の問題です。

まず、患側側に手すりを付けても手すりを使えないので、3・4は×となります。

1・2は健側側に手すりがついています。立ち上がりの際は「前方」に重心移動する必要があるので、便器から少し前方につけられている2が正解となります。

 

28回 問55

Bさん(86歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり、最近は筋力の低下が目立っている。Bさんは日中はポータブルトイレ、夜間は紙おむつを使用している。Bさんの使用しているポータブルトイレは木製の背もたれと肘かけがついているタイプである。Bさんが、ポータブルトイレを使用するときの排泄介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ポータブルトイレは、ベッドの左側の足元に置く。
  2. ポータブルトイレの足元に新聞紙を敷く。
  3. 座位が安定しないときは、背もたれに寄りかかるように座ってもらう。
  4. 排泄が終了したら、立ち上がる前に下着やズボンを大腿部まで上げておく。
  5. 使用したポータブルトイレの中の排泄物は、1日分をまとめて片づける。

 

正解は4です。

 

<解説>

1…ポータブルトイレは、ベッドの左側の足元に置く。

→ 左片麻痺があるので患側である左側に置くのは間違いです。

 

2…ポータブルトイレの足元に新聞紙を敷く。

→ 新聞紙を敷くと滑りやすくなるので間違いです。

 

3…座位が安定しないときは、背もたれに寄りかかるように座ってもらう。

→ 背もたれにもたれかかると排泄しにくくなります。前傾姿勢で腹圧がかかりやすい姿勢のほうが排泄しやすいです。また、座位が安定しないからといって背もたれに寄りかかりすぎると、ポータブルトイレごと、後方に転倒してしまうリスクもあります。

 

4…排泄が終了したら、立ち上がる前に下着やズボンを大腿部まで上げておく。

→ 立ち上がる前に大腿部まで上げておくことで立ち上がった後、スムーズに着用しやすいです。これが正解です。

 

5…使用したポータブルトイレの中の排泄物は、1日分をまとめて片づける。

→ 1日分まとめてではなく、においや衛生面・プライバシーの観点からこまめに片づけましょう。

 

27回 問46

右片麻痺の利用者がベッドから立位になるときの介護方法として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の右膝に手を当て、立ち上がるのを補助する。
  2. 麻痺側(まひそく)の下肢を外転させる。
  3. 背すじを伸ばしたまま立ち上がるように、声をかける。
  4. ベッドに深く腰掛けるように、声をかける。
  5. 利用者の左側に立つ。

 

正解は1です。

 

<解説>

1…利用者の右膝に手を当て、立ち上がるのを補助する。

→ 右片麻痺なので右膝に手を当て、膝折れを防止し、立ち上げるのを補助するのは正しいです。

 

2…麻痺側(まひそく)の下肢を外転させる。

→ 麻痺側の下肢を外転(体の中心部から外に遠ざける…足を横に開くなど)させる必要はありませんし、麻痺しているので外転できるかどうかも不明です。

 

3…背すじを伸ばしたまま立ち上がるように、声をかける。

→ 背筋を伸ばしたままではなく、立ち上がりは前方に重心が移動する動きなので、やや前傾姿勢になるように声掛けします。

 

4…ベッドに深く腰掛けるように、声をかける。

→ 立ち上がりの際は深くではなく、浅く座ります。

 

5…利用者の左側に立つ。

→ 左側は健側なので左側に立ち見守る必要性はありません。

 

26回 問52

Lさん(79歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。右片麻痺、両変形性膝関節症(knee osteoarthritis)がある。トイレまでの移動が困難になってきたため、夜間は、ポータブルトイレを使用することになった。座位保持は可能である。居室は個室で、ベッドを使用している。
Lさんへの対応として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. ポータブルトイレは、利用者の右側に置く。
  2. ベッドの高さより、低い座面のポータブルトイレを選ぶ。
  3. ベッドにスイングアーム介助バーを設置する。
  4. 夜間はズボンを履かず、下着だけとする。
  5. 排泄物は、朝、まとめて片づける。

 

正解は3です。

 

<解説>

1…ポータブルトイレは、利用者の右側に置く。

→ 患側である右側ではなく、健側である左側に置きます。

 

2…ベッドの高さより、低い座面のポータブルトイレを選ぶ。

→ ベッドと同じ高さが基本です。

ベッドの高さより低い座面のポータブルトイレの場合、ベットからポータブルトイレへの移乗は簡単ですが、ポータブルトイレからベッドに移乗するのは難しくなります。

 

3…ベッドにスイングアーム介助バーを設置する。

→ スイングアーム介助バーを設置することで立ち上がりや移乗がしやすくなるので正解です。

 

4…夜間はズボンを履かず、下着だけとする。

→ 問題文に着脱の記述はありませんので、何か理由がない限り、ズボンも履くのが基本です。

 

5…排泄物は、朝、まとめて片づける。

→ 夜間帯ということもあり睡眠を妨げてしまうので、その都度片づける必要はない(排泄時に毎回介助を行っているのならば片づけるのが無難です)ですが、排便があった際などにおいが生じていたりすれば片づけるべきです。

 

スイングアーム介助バーとは ↓↓のことです。

移乗の際に何かつかむものが必要な場合に使います。

L字に曲がることから、通称、L字柵とも呼ばれます。

 

 

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