理論・用語

グリーフケア デスカンファレンスとは?その意義と役割を徹底解説!

「グリーフケア」「デスカンファレンス」という言葉を聞いたことはありますか?

これらの用語は、介護や医療の現場で「看取り」をする際、耳にするものですが、「看取り介護」に当たった経験がないと、具体的にどのような意味を持ち、どのような役割を果たしているのかを理解する場面はなかなかないかもしれませんね。

簡単に説明すると……

  • 「グリーフケア」とは、人が喪失に直面した際、その悲しみや苦しみを癒すための話し合いの場を指します。
  • 「デスカンファレンス」は、患者や利用者が亡くなった際に、その経過や行った支援について医療・介護スタッフが集まって話し合う場のことです。

合格スルオ
「グリーフ」は「悲嘆・悲しみ」を意味する言葉だよ。

この記事では、「グリーフケア」と「デスカンファレンス」を理解するとともに、介護福祉士国家試験で漏れなく得点できるようになることを目指します。

合格スルオ
ではさっそく見てみよう!

デスカンファレンスとは何か

デスカンファレンスは、患者や利用者の看取りにおいて、その死後に行われるカンファレンスであり、医療・介護スタッフが集まり振り返りを行う重要な場です。

デスカンファレンスの定義

デスカンファレンスとは、医療や介護の現場で患者や利用者の死後に行われる振り返りの会議のことを指します。

このカンファレンスは、看護師、医師、介護スタッフ、その他関係者が集まり、亡くなった人のケアや看取りのプロセスを共有し、評価します。

この場では、ケアの質や患者・家族が最期を迎える際のサポート体制が適切であったか、どのような改善点があるか等について話し合います。

 

デスカンファレンスの目的

デスカンファレンスが必要とされる理由は主に2つです。

  1. 患者や利用者が最期を迎える際(看取り介護の際)のケアの質を向上させるため
  2. グリーフケアの場として、ケアを行ったスタッフが感じたストレスや悲しみを共有し合うため

 

1. 患者や利用者が最期を迎える際(看取り介護の際)のケアの質を向上させるため

ケアを通して得た経験や知識をチーム全体で共有し、次回以降のケアに活かすことがデスカンファレンスの第一の目的です。

具体的には、ケアのプロセスや方法、家族への対応などについて振り返り、今後のケアに役立てることを目指します。

2.グリーフケアの場として、ケアを行ったスタッフが感じたストレスや悲しみを共有し合うため

デスカンファレンスの2つ目の目的はグリーフケアの場として、スタッフ自身のメンタルヘルスを守るということです。

スタッフが感じた感情や経験を共有することで、メンタルヘルスを維持する役割としてもデスカンファレンスは機能します。

 

デスカンファレンスは責任追及の場ではない

デスカンファレンスの心理的安全確保のルール

デスカンファレンスでは、参加者が自分の意見や感情を安心して表現できる場を提供することが重要です。

心理的安全を確保するためのルールとして、まず議論の際には批判を避け、個々の意見や感情を尊重することを徹底します。

また、司会者は話し合いの進行をコントロールし、感情が高ぶる場面での冷静な介入を行います。さらに、事前に会議の目的やルールを明示し、全員が理解し共有することが求められます。

責任追及の場にならないための対策

デスカンファレンスが責任追及の場とならないためには、カンファレンスの目的を明確にし、それを全員が理解することが必要です。

議論はケアの質向上や次回の改善に焦点を当て、過去のミスを指摘するのではなく、どう改善できるかを議論の中心に据えます。

また、感情的な批判を避けるため、冷静かつ建設的な話し合いができるよう、司会者がコントロール役を担うことが重要です。

過去問

35回 問11

大切な人を亡くした後にみられる、寂しさやむなしさ、無力感などの精神的反応や、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的反応を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 認知症(dementia)
  2. グリーフ(grief)
  3. リビングウィル(living will)
  4. スピリチュアル(spiritual)
  5. パニック障害(panic disorder)

 

正解は2です。

 

36回 問24

デスカンファレンス(death conference)の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 一般的な死の受容過程を学習する。
  2.  終末期を迎えている利用者の介護について検討する。
  3. 利用者の家族に対して、死が近づいたときの身体の変化を説明する。
  4. 亡くなった利用者の事例を振り返り、今後の介護に活用する。
  5. 終末期の介護に必要な死生観を統一する。

 

正解は4です。

33回 問60

高齢者施設で利用者の死後に行うデスカンファレンス(death conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ボランティアに参加を求める。
  2. ケアを振り返り、悲しみを共有する。
  3. 利用者の死亡直後に行う。
  4. 個人の責任や反省点を追及する。
  5. 自分の感情は抑える。

 

正解は2です

デンスカンファレンスは「ケアを振り返り、悲しみを共有する」というグリーフケアのような目的も果たします。

また、4「個人の責任や反省点を追求する」場ではありません。

 

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